パレットークおすすめ図書vol. 1 – 自分の気持ちと身体と向き合うための2選

2020年から続いた世界的なパンデミック。

これまでの生活が大きく変わったことにより、多くの人が自分の身体や心の健康について考える機会を持ったのではないでしょうか。

今回は、「自分の身体を大切にしたいと思ったときにあらためて読みたい2冊」をご紹介します。

大人になった今だからこそ、あらためて性教育を

『3~9歳ではじめるアクロストン式 「赤ちゃんってどうやってできるの?」いま、子どもに伝えたい性のQ&A 』

まず1冊目は、性教育の本。アクロストンさんによる『3~9歳ではじめるアクロストン式 「赤ちゃんってどうやってできるの?」いま、子どもに伝えたい性のQ&A』です。

アクロストンさんは、性教育のワークショップを開催したり、noteなどで発信を続けるお医者さんの夫婦。以前パレットークでも取り組みをご紹介させていただいたことがあります。

タイトルを見て、「3〜9歳じゃあないしなあ」「子ども育ててるわけじゃないしなあ」

と思った方もいらっしゃるかもしれません。しかし、こちらの性教育の本は大人にとっても読み応えがたっぷり。読み進めるうちに、「知らなかった!」という情報にたくさん出会うはずです。

また性教育と聞くと、生理や妊娠、避妊など身体の仕組みに関する教育と思われがち(もちろんこれらもとても大事な内容)ですが、この本ではさらに、性の多様性・性的同意や性暴力、ひいては他者とのコミュニケーションに関することが扱われています。これらは大人になった私が現在進行形で必要としている情報ですし、「もっと小さいときに知ることができたら…」と思わされる内容ばかりでした。

そして何よりちらの本をおすすめしたい理由は、言葉がとにかく優しくてアートワークがかわいい…という点。アクロストンさんの、読む人の不安に寄り添うような言葉選び、またページをめくるだけで明るい気持ちになるアートワークは、なんとなく気持ちの落ち込むことの多い今の時期にぴったりなのではないか、と思います。

もちろん、お子様を今まさに育ててる最中という方には、ぜひ手にとっていただきたい一冊でした。

『3~9歳ではじめるアクロストン式 「赤ちゃんってどうやってできるの?」いま、子どもに伝えたい性のQ&A 』主婦の友社より発売。

自分の気持ちとの向き合い方を教えてくれる一冊

『マインドトーク-あなたと私の心の話-』

次にご紹介するのは、臨床心理士みたらし加奈さんによる『マインドトーク-あなたと私の心の話-』です。

この『マインドトーク-あなたと私の心の話-』では、加奈さんご自身の家族や人との関わり、パートナーのこと、セクシュアリティ、性被害、自傷やメンタルヘルスなどの経験が、1つひとつのとても丁寧な言葉で綴られています。

書かれている内容はどれも決してライトなテーマではありません。加奈さんご自身もInstagramで、この本を執筆する最中「『これ以上は書けないかも…』と投げ出しそうになったり、時には涙を流しながらと、魂を込めた一冊になった」と綴っていました。その重さは文章の隙間という隙間から感じられ、読む側の心も大きく揺さぶられるのですが、読み終えた後はひとつ何か自分の気持ちに整理がついたような、そんな不思議な気持ちになります。

臨床心理士としての専門的な観点から、そして何より様々な経験を乗り越えてきた加奈さん自身の観点から、「自分や他者の気持ちとどう向き合うか」が書かれたこの本。

読む誰にとってもお守りになるのではないかと思います。

みたらし加奈著『マインドトーク-あなたと私の心の話-』ハガツサ ブックスより発売。

以上、パレットークがおすすめする、自分の気持ちと身体に向き合うための本2冊でした。1人で気持ちや身体と向き合うことはとても大切なことではありますが、時にはしんどいもの。気になった方はぜひ一度、お手にとってみてくださいね。