【イベント】「身体と心に合う下着とは」漫画家 ツルリンゴスター× Nstyleブランドディレクター 上山和泉×パレットーク編集長 合田文 #PR

Nstyle試着・販売イベントを開催

バストをつぶさず、フラットに見せるインナー「Nstyle」がパレットークとコラボで試着・物販イベントを開催。会場ではゲストトークが企画され、漫画家 ツルリンゴスター× Nstyleブランドディレクター 上山和泉×パレットーク編集長 合田文の3名で対談が行われました。

この記事では、そんなゲストトーク「身体と心に合う下着とは」の内容を要約し、お届けします。

はじめに

合田:「バストをフラットに見せるインナーについて、パレットークのInstagramで紹介したときに、めちゃくちゃ反響があったのが印象的でした。”そもそも胸は要らない”、”大きいと思われるのが嫌だ”、”メンズファッションが好きなのでNstyleのほうが自分らしい”などの声も届きましたよね。今日は、もともとNstyleブランドディレクターの上山さんも大好きという『ランジェリーブルース』の著書、ツルリンゴスターさんをゲストにお迎えしています!」

ツルリンゴスター:「ご紹介ありがとうございます。最初はほとんど下着に興味がなかったんです。そもそも下着って、自分の身体に自信がある人が楽しむもので、大きく”盛る”ものだというイメージがあったので、自分には必要ないかな…と。でも調べていくと下着ってとても多様で、いろんな悩みや気持ちに寄り添ってもらえるものなのだと気づきました。合う下着があれば、自分の身体は自分で演出できると知って、自分で自分の下着を選ぶことは自分の尊厳を守っていくことにつながるんだと思いました。そんなお話を『ランジェリーブルース』では書いています」

上山:「SNSでお見かけして読んだら、とてもファンになっちゃって。これは、すべての下着に関わる人が読んだほうがいい!と思ったんです。私も下着を作るという自分の仕事に対して、自分はモノを売っているだけじゃないんだ。と日頃から思っていたけれど、こういうことだよな…と思わせてくれた。会社にも布教活動しています!」

下着の思想を着る、とは?

合田:「実はイベントの前に3人で打ち合わせをしたのですが、そのときにツルリンゴスターさんがおっしゃっていて印象に残っているのが、”下着の思想を着る”というお話でして…」

ツルリンゴスター:「これは私の下着の選び方の話なんですが、『ランジェリーブルース』を執筆していく上で、実際の商品やブランドを描くうちに、その商品に込められた思いや背景を調べるくせがついたんですよ。たとえば、Nstyleを作っているエル・ローズさんは、歴史ある老舗の下着メーカーさん。サスティナブルを大切にし、お客さんの健康に寄り添われているのが特徴、というように」

上山:「ありがとうございます!」

ツルリンゴスター:「気になる下着があったときに、コンセプトのページを見てみるんです。そこに書かれていることが自分の気持ちにフィットしていたら、買ってみる。そうすると、自分の身体だけでなく気持ちや悩みにもフィットして、ものすごい背中を押してもらえる感覚になるんですよ。そんな下着をたくさん持っていれば、いろんなかたちで背中を押してもらえて、朝下着を選ぶのが楽しくなるんですよね。」

合田:「なるほど、それが”下着の思想を着る”ということですね。素敵な選び方…!」

Nstyleは誰のためのもの?

上山:「バストにも理想とされる黄金比のようなものがあるんですが、実際私たちがそれを望んでいるとは限りませんよね。世の中の”こうあるべき”ではなく、本人の”こうしたい”があるのなら、それを尊重したい。そういう声に応えられる商品が作りたかったんです。定説通りの綺麗さじゃなくても、私たちならきっと別の形でもいいものが作れると思って!」

合田:「なるほど。定説を知っているからこそ、他の形も生み出せる力になったんですね。ちなみに、Nstyleはどんなふうに出来上がったんですか?」

上山:「実は色々と試行錯誤を繰り返して、数え切れないくらいのサンプルを作りました。Nstyleを誰にのための下着にするのか、発売のぎりぎりまで決めかねていたんです。はじめはトランスジェンダーやノンバイナリーの方のために作ろうかとも思っていたのですが、様々な方の話を聞くうちに、性のあり方にかかわらず、”胸があってコンパクトに見せたいと思うすべての人のための下着にしよう”と決まりました」

合田:「共通の性のあり方ではなく、共通のニーズを持っている方に向けて商品を作ったということですね」

上山:「そうなんです。コンセプトには、「らしさからの開放」という言葉を選びました。「女性らしさ」だけでなく、社会に求められる「〇〇らしさ」から解き放たれて、自分が居心地の良い自分でいられるような下着として生まれて、2024年でようやく3歳のブランドです」

胸が邪魔だと感じるとき

合田:「性自認や性表現から胸が不要だと感じる人も多いと思いますが、それだけではないと思います。今日の試着・販売イベントに来てくださった方からも色々と聞きましたよね。たとえば競技かるたをしていて胸が邪魔になることがある、とか。和装で前傾姿勢ですしね。私は剣道をやっていたんですが、防具を胸につけるので痛かったり、浮いてしまったりという人もいました。ツルリンゴスターさんも胸が邪魔だと感じるとき、ありましたか?」

ツルリンゴスター:「私は下着をたくさん買うようになって、いろんな自分になれるようになったんですが、どうしてもTシャツを着るときに感じてしまいますね。夏場は下着の選択肢が狭められてしまうし、Tシャツを着ると胸が広がるし、体が大きく見えてしまうなと思っていたんですが、パレットークのマンガではじめてNstyleを見て”Tシャツ着れるじゃん!”と思いました。実際に着てみると、すっきりして見えると娘からも言われて、問題を軽くしてくれたと感じました。あと、Tシャツを着るときに、胸を抑えて見せたいという気持ちから、猫背で巻き肩になってしまうことも。身体を折りたたんでしまうんですよね」

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上山:「以前のNstyleの座談会のときには”Nstyleは胸を張れるインナー”という名言も出ましたよね。学生の時って、よく”胸を張って!”と言われがち。前の仕事で中高生に英会話教えているときに、姿勢は意識すれば直るものだと思っていたけれど、Nstyleに関わる過程で姿勢を正したいけど自分の体型が気になってできない人もいるかもしれない、と学びました。勉強にスポーツ、胸のことを気にせず一生懸命打ち込みたいものがあるという若い世代の方の悩みにも、Nstyleという選択肢で寄り添えればと思っています」

合田:「Nstyle、ベンチプレスをするときもいいですよ!健康への配慮でジムに行く人も多いと思いますが、走ったりダンベルを持ったりストレッチしたり…様々なときに邪魔になる人も少なくないと思います。私はジムで愛用しております!」

自分の悩みは自分だけのもの

ツルリンゴスター:「胸があるのに、抑えたいなんて贅沢な悩み。と思われてしまうこともあると思います。そもそも、胸があることがすごくいいことだと思われているというか。でも、自分の悩みは自分だけのもの。私の母が胸の手術をしていたので、母の前ではあまり自分の胸の話はしませんでした。だから、胸を摘出した人がいるから、もっとつらい人がいるから、胸をおさえたいと言いづらい…という気持ちが生まれることもわかります。ただ、人と比べて自分の悩みをなかったことにすることで、削れていくものはあるんじゃないかと」

合田:「胸は大きれば大きいほどいいと言われたり、勝手に触られてしまったり、それに対して笑って流さなければいけないと感じさせられてしまったり。親にもらった体なんだから…!とかもね」

上山:「良かれと思って”もっとこうしたほうがいい”と言ってくる人もいますよね。特に親や自分の幸せを考えてくれる人に、できれば応えたいという気持ちがある人もいるのでは。自分らしさとの折り合いをつける難しさがあるところなのかなと思っています」

合田:「ツルリンゴスターさんは、お子さんにこうしてほしいという思いがあるときに、お子さんとの境界線をどうしていますか?」

ツルリンゴスター:「もしお母さんからの期待がかかっていると感じるなら、私は反論してくれたほうがめっちゃ嬉しいですね(笑)これはお母さんがやってくれると助かるだけなんだけど…などと前おきをして話し、子供本人が自分のしたいことと、お母さんのしてほしいことを比べる練習をしている感じです」

自分の身体を愛するのは難しいけれど

合田:社会からの”こうあるべき”をたくさん浴びてきたからこそ、なかなかボディポジティブってハードルが高いと感じる人もいるんじゃないかなと思っていて。課せられる美の形があって、そこから開放されるために自分の体を愛してあげよう…っていうの、なかなかできないよね〜って思うこと、ありませんか?」

ツルリンゴスター:「ボディポジティブが浸透してきて、他人への目線はとても変わったと思います。下着のモデルさんも多様になってきているし、プラスサイズ、華奢な体型…私よりずっと年上の方。妊娠線や帝王切開のあとなどを出しているモデルさんもいて、すっごくすてき。きれいだなって思います。胸をどういう形にするのか選択肢が用意されているのが大切で、それを考える時間が下着を選ぶときにあると、身体の主導権が自分に来るんですよね。私、産後に体がだるだるになってしまって、自分の身体を一度放り投げてしまった。でも『ランジェリーブルース』を書いているときにフィッティングを受けて、自分の身体を自分で決められるぞと思ったときに、ちょっとだけ放り投げていた自分の体がこっちに戻ってきた感覚があったんです。あ〜これまで、一緒に頑張ってきたもんね。あんまり好きじゃないけれど…一緒にやってきたもんね。って、心と身体がつながる感じがあると、日々の力になると気づきました」

上山:「なるほど…。私も、全然自分の身体を好きとは思わないけれど、下着をつけると少し変わるんです」

ツルリンゴスター:「下着自体が美しいですしね」

上山:「そうそう、そもそもきれいな下着を”私のために着ているんだ”と思うと、少し楽になれるんです。私はそういうふうにして、世の中のボディポジティブを自分なりに消化しているんですよね。自分の肌に一番近いところにあって、一番気を許して、かつ自分を一番エンパワーしてくれるのが下着。そうであるべきだし、そういう下着と出会いたいと、みんな思ってるんじゃないかな?私は今幸せなことに出会えていると思うんです…うちの商品たちなんですけれど(笑)すごく愛情を込めて手間ひまかけて作られた下着を身に着けたときに”下着が可愛い!”という中に、少しだけ”自分も可愛い”を混ぜてあげられるような。そういう気持ちになってほしい。Nstyleを着たときに、”ああ、自分も悪くない!”って思ってくれたらいいな…と」

やらなかったストレスと、やったときのストレス

ツルリンゴスター:「一度髪を坊主にして子供の入学式に出たときに、反響があったんです。もし変わってるなと思われることをしたいと思ったとしても、”周りからどう思われるかというストレス”と”自分がそれをできなかったときのストレス”を天秤にかけて後者のほうが大きいと思ったら、私はタフな気質ということもあり、やっちゃうタイプなんです。もちろんそれができない人が弱いということではなく、こうした社会で踏み出せないのは当たり前だと思います。でも。私の行動で、天秤の”周りからどう思われるかというストレス”がちょっとでも軽くなって、誰かの勇気になればと思います」

合田:「社会の方のストレスが軽くなれば、それと同じくらい、必要な勇気も重くなくなってきますもんね」

上山:「Nstyleも、誰かにとってそういう存在としてこれからも頑張っていけたらと思います!」

スピーカープロフィール

ツルリンゴスター / イラストレーター・漫画家
長男出産後、SNSで何気ない日常のふとした出来事や気持ちをマンガやイラストでアップ。著書に『いってらっしゃいのその後で』『君の心に火がついて』『ランジェリー・ブルース』(KADOKAWA)。ほか、子育て情報メディア「KIDSNA STYLE」での連載や、書籍の挿絵などを執筆。関西在住で3人の子どもと夫と暮らす。
HP:https://tsururingostar.com/

上山和泉 / Nstyle ブランドディレクター
英語講師及び語学学校の運営・管理やITシステム会社にて外資系企業サポートなどの経験を経て、2019年株式会社エル・ローズに入社。海外営業を担当後、現在はNstyleブランドディレクターに。

合田文 / パレットーク編集長
株式会社TIEWAの設立者として「ジェンダー平等の実現」など社会課題をテーマとした事業を行う。広告制作からワークショップまで、クリエイティブの力で社会課題と企業課題の交差点になるようなコンサルティングを行う傍ら、ジェンダーやダイバーシティについてマンガでわかるメディア「パレットーク」編集長をつとめる。2020年にForbes 30 UNDER 30 JAPAN、2021年にForbes 30 UNDER 30 ASIA 選出。