【マンガで解説】女の子はいい人と結婚できれば安心?進路の話にみるジェンダーの線引き
進路を考える時期になると、「男の子なんだから」「女の子なんだから」という言葉が、ふと会話に出てくることがあります。
「男の子なんだから、安定した仕事に就いてほしい」
「女の子なら、そこそこの大学に行って、いい人と結婚できれば安心」
どちらも「子どもの幸せを願って出た言葉」のようにも聞こえるかもしれません。
しかし、そうした「親にとっての安心のかたち」が、知らず知らずのうちに子どもの可能性を狭めてしまうことがあります。
今回の記事では、自分の将来についての話への父の反応にショックを受けた女子高生のエピソードをもとに、親から子への進路の期待と、そのジェンダー差について考えてみたいと思います。
ジェンダーに基づく期待値のギャップ
男の子には「理系がいい」「企業でキャリアを積める仕事を」
女の子には「文系で手堅く」「地元で就職すれば安心」
進路や将来についての相談の場でなされる助言には、今なおこうした傾向が見られます。
「男は外で稼ぎ、女は家庭を守る」という性別役割は、いまもわたしたちの人生に影響を与えているのです。
理系に進む女子の割合はいまだ低く、「将来は家庭との両立を考えたほうがよい」という前提が、無意識のうちに親の言葉ににじむケースも。
高校生の進路選択に対する親の意識を調べた調査では、女子が「女子学生が多い大学」や「文学部などの文系学部」を志望すると親から高く評価される一方、「工学部」など理系学部は勧められにくい傾向があると明らかになっています。
一方で、息子に対しては「家族を支える人に」「稼げる大人に」という期待が依然として強く残っているのも事実。
親世代としても「自分たちのときはこうだった」「これが安定の道だ」という感覚が、無意識のうちに「正解」として子どもへのアドバイスに反映されているのかもしれません。
しかし、社会の構造や働き方、家族のかたちが変化しつつある今、かつての「当たり前」がそのまま子どもに当てはまるとは限りませんよね。
親の期待が子どもに与える影響
上記のような言葉や態度は、子どもたちの選択に少なからず影響を与えます。
「自分の選択で親をがっかりさせたくない」
「自分が持っていた夢は「単なるわがまま」なのかもしれない」
そんな不安や迷いを感じてしまうこともあるはずです。
娘は「家庭を大事にするほうがいい」と言われ、好きなことへの挑戦をためらう。
息子は「大黒柱として家族を養わなきゃ」と背負い込み、自分のやりたいことより「家業を継ぐこと」や「稼ぐこと」を優先してしまう。
結果として、誰も悪気がなかったとしても、「女の子だから」「男の子だから」という前提が、子どもたちの可能性を狭めてしまうこともあります。
ジェンダーに基づく期待は、性のあり方にかかわらず、誰もが自分らしく生きる自由を奪ってしまいかねないのです。
子どもの「やりたい」を尊重するために
将来に関して親が子どもにかける言葉の多くは、「失敗してほしくない」「困らないでほしい」という思いからかもしれません。
しかし、時代が変わり、働き方や家族のかたちが多様になった今、幸せだと思える人生のあり方もまた、一人ひとり違っていいはずです。
大切なのは、親が先回りして道を決めることではなく、子どもが「自分で考え、選び取る力」を育てること。
そして子どもの選択が、たとえ親が自身の経験から思い描いた「理想の道」とは違っても、自身の人生を生きようとする意志を尊重することなのではないでしょうか。
さいごに
今回の記事では、「男の子だから」「女の子だから」という言葉に込められた期待が、子どもの未来にどのような影響を与えるのかを考えました。
人生の方向を大きく左右する進路に関する言葉や態度には、この社会に深く根付いてきた価値観がにじみやすい傾向があります。そしてたとえ悪意がなくても、その前提の中で子どもは自分の選択肢を狭めてしまうことも。
だからこそ、自分の中に漠然と抱いている「人生の正解コース」を一度見直し、一人ひとりが自分の望む道を選べる環境をつくっていくことが大切なのではないでしょうか。
そして、いま進路や将来に迷っている人には、誰かの期待や「こうあるべき」に縛られず、自分のペースで選んでいいのだと伝えたいです。









