居酒屋でモヤっとしたクエスチョニングの話
※今回の記事では、飲酒に関する言及があります。閲覧にはご注意ください。また、未成年者の飲酒は法律で禁じられています。
※マンガ内では、LGBTQ+に対する嘲笑的な発言が含まれます。
最近は、少しずつ性の多様性に対する認知も高まり、ジェンダーの決めつけをしないようにしようとする動きも一般化してきています。
しかし、実際には少しクローズアップすると偏見や差別的な発言がまかり通てしまう場面がまだまだ多く残っているのも現実です。
クエスチョニングの主人公が居酒屋バイトで経験したモヤモヤをマンガで公開したところ、たくさんの反響がありました。
今回の記事では、お酒や居酒屋、バイトといったキーワードを切り口に、読者の皆様から集まったモヤモヤをご紹介していきます。
パレットークに集まったみんなのモヤモヤ
今回のマンガを公開した際に、居酒屋やバイト先でもやっとした体験をInsgagramのストーリーで募集したところ、こちらでもたくさんの声が集まってきました。
「女性=お酒に弱い」?
- ソフトドリンクや度数低いお酒が私に来て、旦那に私のお酒がわたされる。強めのお酒が好きなのに
- 飲み会中の、「〇〇は男っぽいからもっと飲ませよう」「〇〇ちゃんは労わろう」のような発言
- 「え、お酒弱いんだ!意外~」
実際には当然、お酒に強い女性もいれば、お酒に弱い男性もいます。甘いお酒が好きな男性もいれば、そうではない男性もいます。
しかしなんとなく「男性はお酒が強い/好き、女性はお酒が弱い/飲まない」というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?
2020年、大手ビールメーカーのハイネケンが「Drinks have no gender(飲み物にジェンダーはない)」というフレーズと共に公開したCMがSNS上でも話題になりました。
こうした発信が共感を集める様子を見ると、またパレットークにもこのような体験談はしばし送られてくることからも、無意識の偏見がまだまだ根強く残っていることを感じさせられます。
1人でお酒を楽しみづらい女性
他にも、こんな意見も集まってきました。
- ひとり飲みのとき、「女の子なのにすごいね」「かわいいから奢ろう」など。性別抜きに人として見てほしい。
- ひとりでお酒を飲んでいるとナンパ待ちと勘違いされる
- 1人でバーで飲んでいたら隣の人からセクハラをされた。せっかくのお酒が楽しめず悔しかった。
社会の中で「男性的なもの」とされるものを楽しむ、男性以外の人はしばしば肩身の狭い思いを強いられることがあります。お酒やバー、居酒屋もまた、そうした「男性的なもの」のくくりに入り、女性が1人で自分らしく楽しむことが難しい状況が生まれやすいのかもしれません。
そのため、「ひとりでバーに行く=寂しい」というようなレッテルを貼られてしまうことも多いようです。
また、1人でお酒を楽しんでいるところで、迷惑なナンパやハラスメントの被害にあってしまうケースも…。女性が安全にお酒を1人で楽しむことがまだまだ難しい現状があるのかもしれません。
バイト先で…
また、バイト先でのモヤモヤした体験も多く寄せられました。
- バイトで働いていたら「性別どっち?」って言われたこと。「どっちでしょうね」って返しました。
- 居酒屋でバイトをしていましたがサロンが違ったり女性は基本的に厨房に入れてもらえませんでした。
- お客さんに”お姉さん”と呼ばれるのにモヤっとします。”店員さん”でよくないですか?
- 働いていた時、帰り際の酔ったおじさんたちから女性店員のみ握手を求められた。
マンガのなかにもありましたが、とくにバイト先や職場では「男女二元論」に基づいて勝手に性のあり方を決めつけられてしまうシーンが多くあるようです。
また「客と従業員」という立場の差を利用したハラスメントも起こりやすく、職場でのモヤモヤに対して従業員の立場から声を上げることが難しい問題もあります。
同じく、ストーリーで「モヤっとしたけど言い返せなかった経験」について質問したところ、95%の人が「言い返せなかった経験がある」と回答していました。
「本当にこれは”男女”で分ける必要があるのだろうか?」
「この発言は性別を決めつけてしまっていないか」
一瞬でも立ち止まって考えられる人が少しでも増えていく必要があるのではないでしょうか。
パレットークの公式YouTubeで配信している「あちゃこちゃらじお」でも、今回のテーマを取り上げました。マンガのエピソードをスタート地点にあちゃこちゃとお話ししていますので、もしよければご視聴ください。